10月13日。
埼玉県議会 無所属県民会議主催の勉強会に約50名の議員が集まりました。
冒頭、コンパスナビの蟻田さんが〝社会的養護という言葉をご存知の方は?″と質問されましたが、殆ど手があがりませんでした。周知されていないのは、言葉だけではなく、虐待を受けた子ども達の現状。
虐待を受け児童相談所に一時保護されたとしても、児童養護施設に入所できる子や里親に育ててもらえる子は、ほんのわずかで殆どの子は家に帰されます。
年々増加している児童虐待。コンパスナビからは、そのような現状と埼玉県の取組についてのお話がありました。
そして、現在は発信者、支援者として活動している被虐待児だったブローハン聡さんと山本昌子さんのお二人からは、生い立ちから現在の活動についてのお話がありました。
児童養護施設は18歳で退所になります。措置延長というものもあるそうですが、どちらにしても成人になる前に社会に出ていくことになるわけです。
未成年が一人で仕事に就けますか?アパートを借りれますか?
虐待の加害者である親に保証人になってもらえますか?
経済的な問題だけでなく、心に深い傷をおったまま社会に出ていくのです。
山本さんは、「孤独」が辛かった。
死にたいと思ったこともあった。と語り
ブローハンさんは、「自分で明日を選択できる社会を」と語りました。
明日が来るのが当たり前の生活をしている私は、
この言葉に一番衝撃を受けました。
毎日、壮絶な暴力を受けていたブローハンさんにとって、明日を迎えられないかもしれないという恐怖からだったのか。
虐待のない生活を選択したいという意味だったのか…
とてもとても深く重たい言葉でした。
3年前、埼玉県と一般社団法人コンパスナビが主催したトークイベントで、「社会的養護」という言葉を私は初めて知りました。
虐待から逃れたらそれで終わりではなく、支援は社会に出てからも必要なこと。
まずは、知った人から知らない人へ伝え、繋がっていくこと。
一歩はそこから始まるのだと思います。
そして、彼らの話を聞いた一人一人が、何が必要なのだろうかと
きっと大人として、そして議員として考えて下さったと思います。
◆ブローハ聡さんの本が発売されました。Amazonで購入できます。
みなさんも、ぜひ”知った人“になってください。