投稿が遅くなりましたが、一般質問2問目は中学校部活動の地域移行でした。
特に今回は”持続可能”に焦点を置いて質問しました。ブログでも何度か取り上げてきましたが、白岡市は、埼玉県内で最初のモデル事業として始まり、令和5年度で3年目となりました。
今年度だけでも19団体の視察。そして、シンポジウムでの事例発表など先進事例として全国から注目されています。これは、素晴らしいことです。
しかし、令和8年(予定)までに完全移行した後、国・県からの委託料がゼロになる事を考えれば、今から自主運営による持続可能な地域クラブ活動を考える必要があります。
実際問題として、教員のボランティア(残業代なし)により成り立ってきた部活動を学校から切り離して、地域団体で運営していくのは、とても難しいことです。
なにより、指導者に対する謝金が発生しますので、受益者負担(保護者から会費を徴収)は避けて通れない問題です。令和5年度の計画では、この受益者負担も盛り込まれていましたが、それも含め計画通りに事業が進められてこなかった現状があります。
今後、市の一般財源と受益者負担で運営することになった事を考え、現在の問題点を改善し、持続可能な地域クラブ活動として運営出来るように。そして、後から続く自治体の参考になることを期待し質問をしました。以下、6点につき質問をしましたが、ブログでは④⑤についてお伝えしますので、その他は議会録画中継でご確認頂ければと思います。
①県に提出した事業計画書のとおりに取り組めていない理由は。
②適切に運営されているかは、誰がどのように確認しているのか。
③後期委託事業者の見積りを妥当だと判断した理由は。
④令和5年度の予算総額と決算見込額を伺う。
⇒ 予算総額12,504,000円 決算見込額620万円 執行算 約600万円
執行算が600万円あるという事は、12月議会で235万円の予算追加することはなかったわけです。
⑤委託事業者により契約条件が違うのはなぜか。
⇒ 委託契約時の保証金免除の査定が杜撰(契約規則に則っていない)であったこと。なおかつ、契約書では保証金の支払いが必要とされているのに、納入されていなかったことがわかりました。契約書通りに履行されていないことは、単なる事務的ミスという言葉で済まされる事ではなく、市の信頼に関わる大きな問題です。
⑥持続可能な地域クラブ活動を運営するための今後の方針について
ア 受益者負担はどうなるのか。また、部費と会費の税制上の違いはあるのか。
イ 平日の地域移行について
ウ 地域クラブ活動の委託について
また、昨夜(3月3日)は、第22回部活動のあり方を考える研究集会(兼長沼科研公開研究会)「部活動の地域移行は、なぜ過去に失敗したのか」に参加しました。
講師は、関西大学の神谷 拓教授。
人口からみた公共施設の数や受け皿となる団体の数など。諸外国と比較し、いかに日本がここにお金をかけて来なかったか。そして、そのような環境だから、日本は学校に依存せざるを得ない状況であること等など、今までに参加した部活動の地域移行の話とは、全く違った視点からの話で、とても勉強になりました。
過去に地域移行に失敗?という点も引っかかっていましたが、1969年から始まった中学校の必修クラブ。これがまず、1回目の地域移行に向けての動きだったそうです。
確かに、中学の時に部活動とは違うクラブ活動が、授業時間内にあって、私はソフトボールやけん玉クラブに所属していました。
2回目の地域移行は、1998年に始まった総合型地域スポーツクラブ制度。
2回も地域移行に挑戦し、失敗に終わった過去と今の地域移行。
大きな環境の変化がないどころか、公共施設の統合などもあり施設は減っていきます。
また、地域によっては指導者が見つからないなどの問題もあります。
そもそも、部活動が進学の評価とされている以上、やはり地域移行は難しいですね。
国の予算も当初予定していた額より遙かに低い状況の中、自主運営するにあたり、一般財源だけでなく、受益者負担をどこまで求めていくのかも大きな課題です。
そして、部活動は教育的格差をなくす役割もある中、受益者負担が生じる地域クラブは活動できない生徒を生むことにもなってしまいます。
一方、今回の地域移行の理由の一つである教員の働き方改革と深刻な教員不足を考えた場合は、地域移行しないと存続できないと言った危機感があることも確かです。
今回の地域移行は、
3度目の正直となるのか、2度あることは3度あるになるのか・・・。
地域クラブ活動の令和6年度当初予算は、1、2532、000円
(内訳:委託料8、392、000円 一般財源4、140、000円)です。
※委託料は、決定ではありません。