埼玉県ネットアドバイザーの資格更新案内が、県の担当課から届きました。
2010年1期生として養成講座を受講し、13年間。埼玉県内、そして個人的な活動としても幅を拡げ、遠くは青森での講座を開催するなど、活動してまいりましたが、今期で引退することにいたしました。
娘が中学2年生の時に受けたネットいじめを岡しげお県議(当時)に相談したことをきっかけに、この制度が導入され活動が始まりました。岡氏のお蔭で、埼玉県は、行政主導の体制が構築され、全国でも早い段階からの保護者への啓発講座が実施されるようになりました。
なぜ、引退することにしたのか。
それは、「学校現場で背負わせる問題ではない」と思う気持ちが強くなったからです。
当初から”与える保護者の責任”であることは、アドバイザー共通として伝えてきたことですが、トラブルは学校に持ち込まれ、対処するのは教員というのが現実です。
英語やプログラミング、タブレット学習等など、専門的知識を必要とする学習の増加。そして、コロナ感染症などの対応。さらに、校外で起きた事でも、何でもかんでも学校に持ち込まれる現状。これでは、教員もパンクしてしまいます。
学校は、本来すべき役割だけに戻るべきだと思うのです。
深刻な教員不足に歯止めをかけないと、子ども達への教育を保障することが出来なくなってしまいます。
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保護者は安心安全のために連絡手段として与える。これは、13年前も今も変わらないと思います。それなら、なぜスマホ?なのです。
子どもにとっては、最高のおもちゃです。それも昔なら考えられないぐらい高額なおもちゃ。
それでも与えるのなら、やはり「与えた保護者の責任」。
そして、保護者として子ども達に
「どんな情報に触れて欲しい」と思っているのか。
「ネットから何を知って(得て)欲しい」と思っているのか。それに尽きると思います。
大人でさえ、俗にいう「良い」使い方をする人ばかりではない環境で、まだまだ知識や経験の少ない子どもが、「良い」使い方だけをできるわけはありません。
そして、保護者が望む「情報」だけに触れるわけではありません。
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与えた保護者が管理できないものをなぜ、教員が?
このネット問題だけでも、教員が疲弊しているのは、それこそネットを見ればわかります。
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誰かがなんとかしてくれる。
そうではなくて、与えた保護者が責任を持ってなんとかする。
その覚悟がなければ、やはり持たせるべきではないと思うのは、13年前から変わっていません。
現在は、全児童生徒にタブレットが配布され、13年前とは状況が違います。
そして、どんなに予防線を張っても、子どもは達は、抜け道をみつけるもの。
だからこそ、ネット環境を使う前に、そして使ってからも保護者の関わりが大事なんだとおもいます。
私も「携帯電話が欲しい。スマホが欲しい」という我が子とも、なんども衝突しました。
相当、憎まれたと思います。
でも、今は、それで良かったと思えます。
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ネットに限らず、どんな事であっても「ここから先はダメ」。
この線引きがしっかり持てる子に育てば、本当の意味での安心なのではないでしょうか。